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「まずは事例を積み重ねる」

 東日本大震災では、新耐震基準に基づく建物でも天井が大規模に崩落する被害が相次いだ。建築基準法施行令39条では、天井などの内装材が地震で脱落しないようにしなければならないと定めているものの、強制力のある具体的な技術基準がなかったからだ。

 その穴を埋めるのが今回の告示だが、「現状では未完成」と多くの設計者が口をそろえる。告示が基本としているのは、石こうボードなど面剛性のある平らな天井板を、日本工業規格(JIS)が定める軽量鉄骨の下地材などで吊った天井だ。面剛性が小さい金属パネルや凹凸のある天井板を吊った天井、周囲にクリアランスを設けない天井などは仕様ルートや計算ルートで評価できず、大臣認定ルートで検証しなければならない。

 ところが、超高層ビルの時刻歴応答解析のように一定の評価方法が確立しているわけではない。日本建築センターが14年1月に特定天井の性能評価業務を始めたものの、「まずは個別の審査事例を積み重ねていく」(同センター評定部の塚田市朗部長)という段階にある。

 国交省は近々、定期報告制度における既存の特定天井の点検方法などを定めた告示案も公表する予定だ。特定天井以外の天井は、設計者の判断で安全を確保するよう求める。