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複雑な事業のけん引役

 ここではマネジャーをプロジェクトマネジャー(PMr)という職能に限定せず、広い意味での建設プロジェクトの推進役と定義する。当社社員のようなマネジメントの専任者だけではなく、大規模なプロジェクトに携わる設計者や建設会社の監理技術者なども当てはまるだろう。

 マネジャーの仕事の醍醐味は、巨大な船を操縦する船長に例えられる〔図2〕。船長が海図を参照し、潮の流れや風の流れを読みながら適切な判断を下すのと同様に、マネジャーは建設プロジェクトにおいて、常に状況を捉えながら関係者の意見をくみ取り、手順やスケジュールを管理し、発注者の目指すものへと導いていく。いわば船を組み立てる仕事よりも、船を動かすことに興味がある人に向いていると言える。

〔図2〕マネジャーは巨大な船を目的地まで導く
様々な困難を乗り越え、状況を見渡し、的確なプロセスを選ぶ。発注者に寄り添い、要望を汲み取って、目的の場所に向かって舵取りする役割がマネジャーだ(イラスト:ポム企画)
様々な困難を乗り越え、状況を見渡し、的確なプロセスを選ぶ。発注者に寄り添い、要望を汲み取って、目的の場所に向かって舵取りする役割がマネジャーだ(イラスト:ポム企画)

 マネジャーに求められるスキルは、大きく(1)テクニカルスキル、(2)マネジメントスキル、(3)ヒューマンスキルに分けられる。(1)は建築関連の技術や知識、(2)はプロジェクトを推進する技術、(3)は「人間力」と呼ばれるような、信頼感や安心感を抱かせるパーソナリティーだ。設計や施工の経験がある程度あれば、(1)は身に付いているだろう。マネジャーを務めるには、残りのスキルを鍛える必要がある。