4段階で見積もりを精査
我々はコンストラクションマネジャーの立場から、施工者が提示した見積もりを精査し工事契約に至るまでに、4つの段階を踏んでいる。
まず確認するのは、工種別の費用のバランスだ。分かりやすい例として、建築費と設備費の配分比率が挙げられる。見積書は、仮設費、建築費、設備費、諸経費の4科目に大別される。そのうち大部分を占めるのが建築費と設備費だ。この2項目の配分比率は、規模や用途ごとにある程度決まっている。例えばオフィスならば建築費と設備費の比率が7対3程度。倉庫ならば躯体にかかる費用が大きく、病院などは設備費が占めるボリュームが大きい〔図2〕。
このような一般的な配分比率を理解しておくと、そこから大きく逸脱した金額が出てきたときに、直ちに疑問を投げかけることができる。
2つ目は、見積書の項目や数量のチェックだ。ここをどれほど正確に拾い上げられているかによって、施工者が図面の前提条件を読み込んで確認しているかが判断できる。項目や数量の計上漏れは、実際に図面を作成した設計者の方が気付きやすいからだ。大きな漏れがあった場合には再度見積もりを求めるなど、臨機応変の対応も必要となる。