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必要な図面を見極める

 一方、実施設計の図面は工事費算定の基礎となるもので、施工者にポイントを押さえた情報を伝え、実体のものづくりへとつなげる役割を持つ。そのためには、図面の優先順位を認識し、しっかりと描き込む図面と、省略しても構わない図面とのメリハリを付けて描き分けたい。

 建築士の業務報酬基準を定めた2009年国土交通省告示第15号では、実施設計で作成すべき79項目の図面類が例示されている。だが必ずしも全て作成する必要はない。告示にも、「建築物の計画に応じ、作成されない図書がある場合がある」と明記されている。にもかかわらず、慣習的に全てそろえてしまっているようであれば見直してみよう。

 設計図書の合理化のポイントは、図面間の不整合や矛盾をなくすために、設計の早い段階で図面の一元化を進めておくことだ。当社が関与する建設プロジェクトでは、基本設計がある程度形になった段階で「マスター図」に情報を集約してから、必要な図面を展開するように手順を定めている〔図3〕。

〔図3〕図面の枚数を減らし情報を集約
必要な図面を厳選して作成したい。体裁を整えるためだけに多くの図面を用意するのではなく、1枚の図面に情報を集約したマスター図を作成する。構造や設備、電気の各図面を重ねることで、矛盾もチェックできる(イラスト:ぽむ企画)
必要な図面を厳選して作成したい。体裁を整えるためだけに多くの図面を用意するのではなく、1枚の図面に情報を集約したマスター図を作成する。構造や設備、電気の各図面を重ねることで、矛盾もチェックできる(イラスト:ぽむ企画)