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1つの図面に情報集約

 マスター図は平面詳細図に構造や設備、電気などの図面を統合したもので、施工図でいうところの総合図に当たる図面だ。それを設計段階で作成する。

 設計変更は、随時このマスター図に集約してそこから参照するように徹底すれば、図面間の不整合による描き直しも減る。構造や設備間の干渉も早い段階でチェックできる。

 こうして設計の骨格部分をしっかりさせれば、設計者がディテール図面を描かなくても、施工者は大きなトラブルなく施工を進めることができる。例えば、天井伏せ図や展開図など、意匠面で施工者に伝える要素が特になければ、図面を描かなくても支障はないはずだ。

 設計本来の役割は、発注者の要望を整理して建築という実体に近付けていくことだ。発注者の視点から見れば、本来、実施設計よりも基本設計の占める役割の方が大きい。この機会に基本設計の重要性を見直す必要があるだろう。

今回のポイント

  • 公共工事の品確法の改正は、設計事務所に設計業務の合理化を促す
  • 作成すべき書類や図面に優先順位を付け、設計プロセスの無駄を見直そう
講師:川原 秀仁(かわはら ひでひと)
1960年生まれ。日本大学を卒業後、農用地開発公団(当時)、農林水産省、国際協力機構を経て山下設計入社。1999年から山下PMC。創業メンバーとして参画し国内CM技術の礎を築く。現在は新国立競技場発注者支援業務の管理技術者を務める
構成・本編イラスト:ぽむ企画
企画協力:納見 健悟(山下ピー・エム・コンサルタンツ)
この記事は、発注・設計・施工の実務経験者を擁する山下ピー・エム・コンサルタンツから、各回のテーマに合わせた専門家を講師に迎えるオムニバス形式で連載します。

連載の予定(内容は変更になる場合があります)

  • 第10回 スケジュール管理のツボ(10月25日号)
  • 第11回 五輪以降も見据えたホテル事業(11月25日号)
  • (隔号掲載で全12回の予定)