三晃金属工業が首位を奪還
今年は8部門で1位企業に変動があった〔図1〕。新たにトップに立ったのは金属サイディングのアイジー工業とニチハ(同点首位)、金属屋根材の三晃金属工業、門扉・フェンス・塀のYKKAP、テレビドアホンのパナソニック、無機系耐力面材の吉野石膏だ。前年に複数企業がトップを分け合った戸建て住宅用玄関ドア、カーポート、ビル用免震・制振部材は、それぞれYKKAP、三協アルミ、オイレス工業が単独トップとなった。
ベストテンに入った全メーカーを対象に、前年調査から大きくポイントを伸ばした企業も調べた。一級建築士が採用したいと答えた割合が、10ポイント以上伸びた企業は6社あった〔図2〕。
理由として新規需要への取り組みを挙げた企業が多かった。窯業系サイディングのケイミューは「新築戸建てだけでは限界があるので、最近はリフォームや店舗など新規分野の開拓に注力している。特にここ2年は各地の設計事務所を訪問し、需要の掘り起こしに努めた。それが実を結んだ」(同社総合企画室)とみる。接合補強金物のカネシンは「需要が増えている大規模木造向けに大断面用金物を製品化したところ、専門家から設計や施工が簡単だと評価された」(同社広報室)としている。
特集では、ランキングとは別に、建材・設備メーカーの最新の技術開発動向も探った〔図3〕。1つは漏水対策の強化。近年、大型台風やゲリラ豪雨の影響でマンションやオフィスの漏水、浸水事故が多発している。それに対処するため、窓やドアの防水性能向上に本腰を入れるメーカーが増えている。また、光触媒塗料の低価格化や、外壁からシーリング材をなくす取り組みなど、意匠やデザインに変化をもたらす動きも広がっている。