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国内2位の乗降人数を誇る池袋駅だが、駅の周辺に人が流れないことから“駅袋”とも呼ばれてきた。1978年に完成したサンシャイン60以降、大きな変化のなかった駅周辺が、庁舎移転を契機に変わり始めた。

 池袋駅東口から南東に徒歩8分、住宅街の一角にとしまエコミューゼタウン(南池袋2丁目A地区再開発)が全貌を現した〔写真1〕。地下3階、地上49階。総事業費約428億円。上層階は分譲マンションの「ブリリアタワー池袋」で、その足元にスカートのように広がる低層部(3~9階)に豊島区役所が入る。庁舎は5月7日に供用を開始する。

〔写真1〕自治体庁舎と分譲マンションの合築は国内初
左は南西から見たとしまエコミューゼタウン。設計は日本設計。隈研吾氏が外観デザインを監修した。低層部南側にはグリーンテラスを設ける(右上パース)。上層部の分譲マンション322戸は受付開始から約7週間で完売した。敷地東側には明治通りバイパスが整備中(右下写真)。写真の手前辺りで地下に潜る(写真:日経アーキテクチュア、資料:豊島区)
左は南西から見たとしまエコミューゼタウン。設計は日本設計。隈研吾氏が外観デザインを監修した。低層部南側にはグリーンテラスを設ける(右上パース)。上層部の分譲マンション322戸は受付開始から約7週間で完売した。敷地東側には明治通りバイパスが整備中(右下写真)。写真の手前辺りで地下に潜る(写真:日経アーキテクチュア、資料:豊島区)

 「サンシャイン60以来の好機だ」。豊島区都市整備部都市計画課の原島克典課長は、池袋駅周辺整備における新庁舎の意味をそう表現する。

 サンシャイン60は池袋駅から東に約600m、巣鴨拘置所跡地に1978年に完成した地上60階建てのオフィスビル。大規模な商業施設やホテルも併設する。「池袋駅東口を出た人の約8割がサンシャイン方面に向かう」(原島課長)という再開発の成功例だ。しかし、それは人の流れがいまだにサンシャインにしか向かわないことの裏返し。そんな東口の新たな核となることが期待されているのが、としまエコミューゼタウンである。

 敷地は旧日出小学校跡地で、サンシャインから見ると約400m南西〔図1〕。最寄駅は東京メトロの東池袋駅だが、多くの人は池袋駅からグリーン大通りを歩くと予想されている。

〔図1〕「サンシャイン一人勝ち」から回遊動線へ
池袋駅周辺の大規模開発には、どれも豊島区が深く関わっている。中小の商業ビルが密集した街区が多く、大手のデベロッパーがこれまで開発に名乗りを上げなかったからだ。区は新設する目玉施設をLRT(次世代型路面電車)でループ状に結ぶ構想も持っている。ただし具体的なスケジュールなどは公表していない
池袋駅周辺の大規模開発には、どれも豊島区が深く関わっている。中小の商業ビルが密集した街区が多く、大手のデベロッパーがこれまで開発に名乗りを上げなかったからだ。区は新設する目玉施設をLRT(次世代型路面電車)でループ状に結ぶ構想も持っている。ただし具体的なスケジュールなどは公表していない