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投資過熱がもたらした"裏原不況"

2009/05/22

 先日、表参道ヒルズから北に入った一画にあるゴシック・アンド・ロリータファッション(以下、ゴスロリ)の店舗に入った。渋谷川の暗渠(あんきょ)周辺で、裏原宿と呼ばれるエリアの一部だ。

 裏原宿はバブル崩壊後に、ファッションにこだわる若者の需要に支えられ、着実に勢力を伸ばしていた。裏原宿独特のファッションを取り上げた雑誌も創刊されるほどだった。ゴスロリもそういった雰囲気の中で伸びたファッションの一つだ。

 適当に買い物をし、ゴスロリで全身をコーディネートした店長に最近の店舗動向について探りを入れてみた。この近くには空き店舗が多いですね──、と。

 店長によると、アパレル店舗の撤退が相次いだのはここ2年~3年だという。ちょうど、不動産業界が活況を呈していた時期だ。

 不況に対して強かった裏原宿のアパレルが、どうして消えてしまったのかと疑問に思っていたところ、「賃料の高騰に耐えられなくなったのが原因だ」と取材先の不動産会社が教えてくれた。以前は個人が自宅を改装して店舗として貸すケースが多かったが、現在は企業やファンドが物件を取得して賃貸運用するケースが増え、それが賃料の高騰を招いたというわけだ。

 賃料の設定は出店需要に大きな影響を与える。小誌ウェブサイトではこのたび、東京の主要商業エリアを対象とした店舗賃料調査の掲載を始めた。アトラクターズ・ラボとビーエーシー・アーバンプロジェクトの協力を得て、四半期ごとに商業エリアの動向を伝えていく予定だ。

田村 嘉麿日経不動産マーケット情報

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