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【レポート】REITの鑑定キャップレートが2008年下期に上昇、ニッセイ基礎研

2009/01/15

 REIT(不動産投資信託)が保有する物件の鑑定評価におけるキャップレートが2008年下期に上昇へと転じた――。ニッセイ基礎研究所が公表したレポートのなかでこのような状況が明らかになった。

 不動産市況の悪化によって、不動産利回りはすでに底打ちして上昇に転じた可能性がある。ただ、不動産取引が極端に少なくなっているため、実際の取引価格や利回り動向を把握することが難しい。そこで、ニッセイ基礎研究所は鑑定評価時のキャップレートに着目して、その動向をREITの開示情報を基に分析した。

 ケネディクス不動産投資法人の第7期決算(2008年10月期)では、これまで低下傾向にあった保有物件の鑑定キャップレートの平均が23ベーシスポイント(0.23ポイント)も上昇している。REIT全体の鑑定キャップレートの推移を見ても、オフィス、住宅、商業ともに2004年以降の4年間にわたって低下傾向が続いていたが、2008年下期はいずれも上昇に転じた。

 最近まで、オフィスビルの鑑定キャップレートは東京都心部と主要地方都市との格差が縮小傾向にあった。しかし、2008年に入って、地方都市の空室率が上昇し、格差の縮小にブレーキがかかり始めた。すでに、札幌市、横浜市、福岡市では格差が拡大に転じている。

 ニッセイ基礎研究所では、これまで鑑定キャップレートが急低下してきたのは、「キャッシュフローの上昇を大きく上回って市場価格が上昇し、鑑定価格がそれに追随しようとした結果とも考えられる」と指摘した。オフィスや商業施設の鑑定キャップレートは過去数年間、100ベーシスポイント(1.0ポイント)を上回る低下幅を示しており、今後は同程度の上昇が進む可能性があるとみている。

日経不動産マーケット情報

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