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【経営】リサが不動産投資から撤退、上場廃止へ

2010/11/01

 リサ・パートナーズは10月29日、筆頭株主のNECキャピタルソリューションによる株式公開買い付け(TOB)の受け入れを決めた。リサは完全子会社化に伴い上場廃止となる見込みだ。大きな損失を出した不動産投資事業からは撤退する。

 買い付け期間は11月1日から12月14日まで。リサの井無田敦社長は同日付で退任した。前専務で、井無田氏と同じく日本長期信用銀行出身の田中敏明氏が新社長に就任している。

 リサは不動産投資、不良債権投資、企業再生を三本柱として事業を展開してきたが、保有不動産の価格下落が響き業績が悪化していた。2009年12月期決算では、米Grove International Partnersと共同で取得した物件の値下がりなどで約45億円の特別損失を計上。今期(2010年12月期)決算でも、年内に見込んでいた上野のタカラホテル跡地売却を見送る公算が強くなったことから、今回の発表で売上高予想を204億円下方修正した。ほかの物件と併せて約90億円の評価損を特別損失として計上し、3期連続の赤字決算になる見込みだ。

 リサが2010年6月末時点で保有する不動産はプリンシパル(自己勘定)投資事業で400億円、Groveとの共同投資事業での運用資産総額が1276億円。同社はこれらの物件を早期処分し、NECキャピタルの下で不良債権投資と企業再生ファンド運営を軸に経営再建をめざす。企業投資の一環としての不動産関連コンサルティングは今後も手がけていく。

 買い主のNECキャピタルはNECグループのリース会社で、東京証券取引所第一部に上場している。同社は2009年2月から複数回にわたりリサの増資、融資に応じており、これまでに投じた資金は90億円を超える。リサの普通株11.30%と、優先株、新株予約権付社債(CB)を保有。これらを株式転換した場合で合計25.83%の議決権をすでに確保している。

 今回のTOBはリサの議決権66.70%の確保を成立要件としており、成功した場合、NECキャピタルは追加募集を通じて100%子会社化を目指す。1株あたりの価格は市場の3カ月平均をわずかに下回る3万6000円で、完全子会社化する場合の新規投資金額は158億6400万円となる。

 なお、井無田前社長とその関連会社は合わせてリサ株の約16%を保有しており、金融機関がこれらの株式に設定している担保権の解除を前提として、TOBに応じる意向を示している。また、井無田氏は別の関連会社を通して保有してきた沖縄県の建設会社、國場組の株式(取得価格10億円)について、リサへの売却を協議する。

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