グルーラムとCLTを採用
この建物の一番の特徴は、木造という点である。グルーラム(集成材)とCLT(クロス・ラミネーティッド・ティンバー、直交集成板)を用い、湿式工法の作業を減らすことで、工期を大幅に短縮した。主要構造部をCLTでつくると、鉄筋コンクリート(RC)でつくる時に比較して、30~50%施工スピードが早まると言われている。また現場での騒音も抑えられることになり、テレビ局やオフィスが建つ敷地内での工事としては、適切な選択であった。
躯体は6m×8mの平面グリッド上に、グルーラムの柱と梁で構成されている。梁は最長で2スパン分(16m)とし、複雑な柱と梁の接合部分を極力減らした。
一般的には、大空間を確保しようとすると、耐力壁を設けたり、ブレースを入れたりすることが多いが、コアまわりをCLTで囲うことによって、水平力に抵抗する計画となっている。CLTの床板も同様に水平力に抵抗する。
このCLT、最近は日本でも注目の材料だ。JAS規格が2014年1月から施行されたばかりである。