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JAS認定品の使用は
社会の要請になる

小原:木材の素性が分かるJAS認定品や森林認証材は、設計者や施工者にどのようなメリットがありますか?

遠藤:JAS認定品であれば木材の品質を担保でき、建て主に対するアピールにもなるでしょう。ただし、特に地域材を指定する場合は、設計の初期段階から調達方法を確認する必要があり、私たちも早い段階で相談してくださるようにお願いしています。

小林:施工者にとっては、建築主に対する説明責任という観点からも、JAS認定品の使用は重要な意味を持ちます。

 一方、FSC(森林管理協議会)などの森林認証制度は今後、社会の要請のなかで発展していく仕組みだと考えています。現時点では、オプションとして建築主の要望があれば認証取得を手伝っている状況です。

 森林認証材の利用には建築主の理解が欠かせません。認証費用の支払いや、審査対応のための書類作成などに時間もかかります。ただ、環境保全など社会の潮流に敏感な企業は、認証制度をコストではなく、企業姿勢をアピールできる機会ととらえて、積極的に利用し始めています。

安井:JAS認定品は、木造の防耐火にも関わってきます。準耐火構造の燃えしろ設計で用いる木材は、JAS認定品が求められます。火災時の燃え方や構造強度に影響する品質が確かな木材の使用を求めているのです。

遠藤:日本は、OECD(経済協力開発機構)加盟国のなかでノルウェーに次いで第2位の森林国です。国土の68%を占める森林を、持続可能なものにしていく森林認証制度と、木材の品質を担保するJAS認定品の使用は、社会と時代の要請として、今後いっそう進むだろうと考えています。

小原:中大規模木造の設計・施工には、防耐火に関する各種の法制度に加えて、木材の素性も重要なことが分かります。その辺りを発注者にも理解してもらい、社会の要請に応えていくのが、これからの設計者の責務なのだろうと思います。

※ 格付け率 : JAS規格の適合判定を格付けといい、格付けされたJAS認定品の出荷割合を格付け率という

(撮影:渡辺 慎一郎)
(撮影:渡辺 慎一郎)
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