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 東京都品川区にある東急池上線の戸越銀座駅は都内では珍しい木造の駅舎が特徴だ。開業から約90年、街の顔としても親しまれてきたこの駅舎が、再び木をふんだんに使った駅舎として生まれ変わる〔図1〕。林野庁の2015年度森林・林業再生基盤づくり交付金事業を活用した駅舎改修の取り組みとして、東京急行電鉄が計画。9月に着工し、2016年夏ごろの竣工を目指す。

〔図1〕ホームの屋根に木材を多用
〔図1〕ホームの屋根に木材を多用
木造の駅舎のイメージを引き継ぎ、木材を多用した改修デザイン案(資料:東京急行電鉄)
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 1927年に開業し、長年使われてきた同駅舎は、傷みも激しく改修の必要に迫られていた。改修に当たって、東急電鉄は地元商店街の店主などにヒアリングを実施。木造の駅舎に対する愛着の声などから、再び木造でリニューアルすることにしたという。

 改修には、東京都の多摩地域で生育し生産された多摩産の木材を使用する。ホーム屋根やトイレの建て替え、駅舎内外装などに木材を多用。駅を使用しながらの工事に配慮し、人が運べるサイズの木部材を組み上げる架構とした。

 今回の駅舎改修は、地元の商店街などとも連携し、街のにぎわいや魅力づくりにも役立てる方針だ。新たな駅施設では、街の情報発信機能も整備するという。