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天然物系接着剤の特徴

 最後に天然物系接着剤だ。

 カゼインは牛乳のたんぱくを取り出して、それを固める添加剤を入れて接着剤として使うもので、かつては集成材に使われていた。ご飯粒で接着するようなものなので、少し水がかかるとすぐ剥がれてしまう。にかわは、バイオリンなどの楽器に使われている。熱で溶け、冷えると固まる。

 接着を研究されている方のなかには天然物系に回帰しようという動きもあるが、構造用集成材の研究者としては、レゾルシノール系などの材料の性能や信頼性を優先したい。カゼインやにかわなどの天然物系は屋内でしか使わないといったように使用環境が限定されるのであれば使う道はあるかもしれない。

 現在、JAS規格に挙げられている接着剤は、先に述べた熱硬化性樹脂といわれているタイプのものばかりだ。基本的に接着剤そのものはプラスチックなので、かなりの耐用年数があると考えている。促進劣化試験などで劣化寿命を測定する方法もあるが、いま挙げたような接着剤は比較的安いということもあり、あまりそうした研究はなされていない。

 プラスチックの寿命について測る方法はいくつかあり、イソシアネート系やレゾルシノール系でも1000年とか2000年とかの寿命が予測されるという話を聞いたこともあるが、その測定値の有効性については学術的な検証が不十分とのことである。