PR

大屋根が復興のシンボルに

 建設現場の見学を終え、研究会の委員らが質疑や意見交換を行った(以下、敬称略)。

松永委員(近代建築研究所)
建築コストはどれくらいか。

日野(サルハウス)
建築だけで坪当たり約130万円だ。復興需要で、入札価格がかなり高い時期だったということもある。

伊藤委員(三井住友信託銀行)
プロポーザルにおいて、木を使うことが要件として求められていたのか。

日野(サルハウス)
それはなかった。われわれは、これまで群馬県農業技術センターなどいくつかのプロジェクトで木を使っていたことがあった。また、このプロジェクトでは陸前高田の地元産材を使うということで、復興のシンボルをつくり出せるのでは…という思いもあった。

松永委員(近代建築研究所)
コンペの審査ではどのように評価されたのか。

日野(サルハウス)
公開審査においては、校舎を使う中学生たちも呼ばれていた。審査委員長の内藤廣氏(内藤廣建築設計事務所代表)が中学生たちに「どの案が良かったか?」と聞くと、そのうち数人がわれわれの案に対して「屋根が特徴的なのが良かった」と言ってくれた。つまり、大屋根がシンボル性として捉えられたのだろう。

松永委員(近代建築研究所)
京都の妙心寺などの、屋根が重なり合ったイメージを思い起こさせる。

日野(サルハウス)
寺社仏閣とか、和風を特にイメージしたわけではなかった。しかし、結果的にそのように見られているようだ。木という素材が共感を呼ぶことをあらためて認識している。

模型を前にした質疑の様子。右からサルハウスの日野雅司共同代表、栃澤麻利共同代表、北尾一顕氏(写真:井上健)
模型を前にした質疑の様子。右からサルハウスの日野雅司共同代表、栃澤麻利共同代表、北尾一顕氏(写真:井上健)
[画像のクリックで拡大表示]
高田東中学校の配置平面図(資料:サルハウス)
高田東中学校の配置平面図(資料:サルハウス)
[画像のクリックで拡大表示]
高田東中学校の1階平面図(資料:サルハウス)
高田東中学校の1階平面図(資料:サルハウス)
[画像のクリックで拡大表示]
高田東中学校の2階平面図(資料:サルハウス)
高田東中学校の2階平面図(資料:サルハウス)
[画像のクリックで拡大表示]
高田東中学校の校舎棟の断面図(資料:サルハウス)
高田東中学校の校舎棟の断面図(資料:サルハウス)
[画像のクリックで拡大表示]

建築概要

  • 建物名称:陸前高田市立高田東中学校
  • 所在地:岩手県陸前高田市
  • 主用途:中学校
  • 地域・地区:都市計画区域および準都市計画区域外
  • 建蔽率:16.77%(指定なし)
  • 容積率:20.64%(指定なし)
  • 敷地面積:34693.51m2
  • 建築面積:5820.37m2
  • 延べ面積:7172.31m2
  • 構造:鉄筋コンクリート造、一部鉄骨造・木造
  • 階数:地上2階/地下1階
  • 耐火性能:ロ準耐火建築物1号、耐火建築物 *棟により異なる
  • 各階面積:地下1階1898.70m2、1階4324.25m2、2階949.36m2
  • 基礎・杭:べた基礎
  • 高さ:最高高さ17.24m
  • 主なスパン:4m×9m
  • 発注者:岩手県陸前高田市
  • 設計・監理者:SALHAUS
  • 設計協力者:佐藤淳構造設計事務所(構造)、総合設備計画(設備)、シリウスライティングオフィス(照明)、ランズ計画研究所(外構)、高輪建築コンサルタント(積算)、氏デザイン(サイン)+iDESIGN(家具)、6D(家具)、倉斗綾子(学校計画アドバイザー)
  • 施工者:佐武・菱和経常建設共同企業体
  • 設計期間:2012年12月~14年3月
  • 施工期間:2015年4月~16年10月
2016年度第2回「中高層建築への木材利用促進の可能性について検討する研究会」

委員(敬称略)

伊藤雅人(三井住友信託銀行不動産コンサルティング部審議役)、今井邦夫(アーク不動産開発事業部部長)、内海彩(KUS代表取締役、チーム・ティンバライズ理事)、後藤健太郎(日本不動産研究所研究部次長)、小林道和(竹中工務店木造・木質建築推進本部副部長)、近藤昭(桧家ホールディングス代表取締役社長)、出口俊(住友林業木化営業部営業チーム係長)、藤田譲(中大規模木造プレカット技術協会監事)、松永安光(近代建築研究所代表取締役、HEAD研究会理事長)、柳瀬拓也(三菱地所レジデンス都心・城南用地部用地第二グループ主任)

オブザーバー(敬称略)

三村翔(三菱地所住宅業務企画部副主事)

林野庁(敬称略)

服部浩治(林政部木材産業課木材製品技術室課長補佐)、原章仁(林政部木材産業課木材製品技術室住宅資材技術係長)、西尾悠佑(林政部木材利用課木質バイオマス第1係長)

事務局

安達功(日経BP社日経BPインフラ総合研究所所長)、畠中克弘(日経BP社日経BPインフラ総合研究所上席研究員)、小原隆(日経BP社日経BPインフラ総合研究所上席研究員)、米倉肇(日経BP社クライアントマーケティング2部次長)、鈴木はるか(日経BPコンサルティングブランドコミュニケーション部)、村島正彦(studio harappa代表)