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 東京・港区にある三菱地所グループの研修施設、高輪フォーラムは、都心では珍しく、大型建物で木造を採り入れている。中庭を囲んでロの字型に回遊できる建物は主に木造で、一部が鉄筋コンクリート(RC)造で建てられている。隣接するRC造5階建ての独身寮、高輪ハウスとともに2013年春に完成した。

緑豊かな敷地内に建つ。向こうに都心の高層ビル群が見える(写真:川澄・小林研二写真事務所)
緑豊かな敷地内に建つ。向こうに都心の高層ビル群が見える(写真:川澄・小林研二写真事務所)
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 建物は、三菱グループを興した旧岩崎家高輪別邸の1万坪以上ある敷地の一角にあり、いまや都心では貴重な豊かな緑に包まれている。そんな環境のなかに計画された高輪フォーラム・高輪ハウスは、「交流の森」「環境の森」「記憶の森」という3つの“森”を創造するコンセプトで設計された。グループ各社の横の交流を深め、歴史を次代に引き継ぎ、そしてグループが掲げる環境方針に基づき、防災拠点としての機能を含めた環境保全を目指した。

高輪フォーラムのホワイエ(写真:川澄・小林研二写真事務所)
高輪フォーラムのホワイエ(写真:川澄・小林研二写真事務所)
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 環境面の対策として、「創エネ」「蓄エネ」「省エネ」の3つに加えて、省CO2につながる国産木材の活用を打ち出した。仕上げ材と比べて、より多く木材を使える構造材として利用した。

 柱材は、主に北海道のカラマツでつくった集成材。屋根を構成する垂木などには山梨県などのスギを使った。そのほか、高輪ハウスでも、ベンチやテーブルなどで国産木材を積極的に使っている。

高輪ハウスの3階ラウンジ。主に北海道産カラマツの集成材を柱と梁に使っている(写真:川澄・小林研二写真事務所)
高輪ハウスの3階ラウンジ。主に北海道産カラマツの集成材を柱と梁に使っている(写真:川澄・小林研二写真事務所)
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木材を多用した高輪ハウスのライブラリー(写真:川澄・小林研二写真事務所)
木材を多用した高輪ハウスのライブラリー(写真:川澄・小林研二写真事務所)
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 国産木材を多用したこの建物は、港区が運用する「みなとモデル二酸化炭素固定認証制度」で、最高ランクとなる★★★を区内で初めて取得した。

DATA

  • 所在地:東京都港区
  • 事業主:三菱地所
  • 主用途:寄宿舎、研修所
  • 構造:木造・鉄筋コンクリート造(高輪フォーラム)、鉄筋コンクリート造・鉄骨造(高輪ハウス)
  • 階数:地上2階(高輪フォーラム)、地上5階(高輪ハウス)
  • 延べ面積:8787.04m2
  • 設計者:三菱地所設計
  • 施工者:三菱地所ホーム
  • 完成:2013年3月
  • 主な使用木材
    • [内装・家具]エントランスホールベンチ:カラマツ集成材(北海道産)、ライブラリー大テーブル:ナラ集成材
    • [構造]柱・梁:カラマツ集成材(北海道産)、垂木:スギ(山梨県産)

企業に広がる 都市の木づかい

  • 定価:本体2,200円+税
  • 国土緑化推進機構/日本プロジェクト産業協議会(JAPIC) 監修
  • 日経アーキテクチュア 企画
  • A4判、104ページ
  • ISBN:978-4-8222-0044-2
  • 商品番号:239910
  • 発行日:2015年4月13日