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国産の木材を建物に使っていこうという機運が盛り上がっている。地球環境配慮に関わる効果はもとより、ユーザーの健康面や心理面で木材が持つ効用や、地域の経済を復活させる手段としても注目されている。最近の目覚しい技術革新により、都市のなかでの中大規模の「木質化」「木造化」も可能になってきた。国や自治体も、企業などの国産材利用を制度面から積極的に支援する。

  • 森林の「多面的機能」の維持のために国産材の利用は欠かせない
  • 建物の「環境評価」の際にも国や地域の木材の利用は有利に働く
  • 施設利用者に対する影響や地域創生の面でも関心が高まっている

 日本の国土の約7割は、森林が占めている。主要諸国のなかでは、フィンランド、スウェーデンに次ぐ世界3位の森林資源国だ(図1)。しかし、その森林が今、危うい状況に差し掛かっている。適切な間伐や伐採が進まず、森林の持つ「多面的機能」が低下するおそれが出ているためだ。

図1 世界各国の森林率(国土面積に占める森林面積の割合)
図1 世界各国の森林率(国土面積に占める森林面積の割合)(資料:国際連合食糧農業機関(FAO)「Global Forest Resources Assessment 2010」)
(資料:国際連合食糧農業機関(FAO)「Global Forest Resources Assessment 2010」)
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 森林の恩恵は、森林に近い地域だけではなく、遠く離れた都市も含め、日本全体でくまなく受けている。その多面的機能には、次の8つを挙げることができる(図2)。

図2 森林の持つ多面的機能
図2 森林の持つ多面的機能(資料:林野庁、日本学術会議答申「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について)
(資料:林野庁、日本学術会議答申「地球環境・人間生活にかかわる農業及び森林の多面的な機能の評価について)
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 これらを総合すると経済的な価値は約70兆円になるという試算日本学術会議)がある。