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デザイン性のある木造ビルとして評価された

 講演者はここで計画を主導した担当者である金髙氏に代わり、実際の建て替えプロセスの解説に移った。

建て替え中のGビル自由が丘01(B館)(写真:編集部)
建て替え中のGビル自由が丘01(B館)(写真:編集部)
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三菱商事・ユービーエス・リアルティ 不動産運用部シニアマネージャー 金髙 拓文氏(写真:小林 淳)
三菱商事・ユービーエス・リアルティ 不動産運用部シニアマネージャー 金髙 拓文氏(写真:小林 淳)
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 2016年11月にオープン予定の新築建物は、地下階の2層分をRC造、地上部の1階~3階が耐火木造となる。基本設計をクライン・ダイサム(東京都渋谷区)、実施設計をフジタ(東京都渋谷区)が担当した。

 計画初期から木造の計画があった訳ではなく、設計を進めるなかで、フジタの担当者から「耐火木構造部材」の提案があったのだという。

 「商業施設として、デザイン上のインパクトを求めていた。デザイン感度の高い立地にふさわしいと考え、木造の採用に舵を切った」と金髙氏は話した。

 この建物で採用される建材は、シェルター(山形市)の「クールウッド」。荷重を受ける支持部である集成材の周囲を2層の石こうボードで耐火被覆し、さらに表面を木材で化粧した、耐火木構造部材だ。

 「ほとんど例のない木造ビルというオリジナリティーが高く評価され、テナント誘致にも有利に働いた」と金髙氏。アパレル企業の1社がこのデザインを高く評価し、既に1棟一括貸しの予約契約がなされているという。

 金髙氏は「化粧材として木材を使った例はこれまでもあったが、構造材まで踏み込んだ建築は今回が初めてだった。競争力強化に繋がるという手応えを感じた」と成果を語る。

 最後に金髙氏はコストについても触れ、「計画当初は木造ということでコストが抑制されることも期待したが、結果は想像よりは高くついてしまった。建材の普及がまだ少なく、施工者が限定される点などが原因だった」と話した。

 木材を活用したデザイン性の高い建物が商業競争力を強化する実例といえるだろう。