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 林野庁の補助事業として、木構造振興と日本住宅・木材技術センターは11月9日、CLT(直交集成板:Cross Laminated Timber)を活用した建築物実証事業の公募を始めた。助成総額は8億3500万円。採択事業数は14件程度を目安としている。助成率は10分の3もしくは2分の1。受け付けの締め切りは12月6日13時だ。

2015年度のCLT活用実証事業で採択されたCLT café(神戸市垂水区)。KUS一級建築士事務所(千代田区)が意匠設計を、kplus+東京大学生産技術研究所腰原研究室が構造設計を、中田工務店(神戸市)が施工を行った。柱梁を集成材などの軸組で、屋根(床)にはCLTを用いた(写真:KUS)
2015年度のCLT活用実証事業で採択されたCLT café(神戸市垂水区)。KUS一級建築士事務所(千代田区)が意匠設計を、kplus+東京大学生産技術研究所腰原研究室が構造設計を、中田工務店(神戸市)が施工を行った。柱梁を集成材などの軸組で、屋根(床)にはCLTを用いた(写真:KUS)
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 公募する実証事業はCLTを部分的に使う建築物も対象となり、工作物も含む。

 提案した事業内容は、2017年3月末までに完了できることを条件としている。ただし、財務大臣の承認があった場合は、最長で18年2月末までの完了が認められる。

 同事業は2014年度に始まった。直近では16年5月と同8月の2度に分けて公募し、合わせて7件を採択した。15年度補正予算の助成総額は3億円程度だったので、今回の助成総額は3倍近くまで増えている。日本住宅・木材技術センター研究技術部の大澤朋子技術主任は、「16年度補正予算による今回の公募では、CLTの普及を速めるために昨年度補正予算の募集よりも多くの予算を確保した」と話す。

 この補助事業は単にCLTを使った建築物の建設促進だけではなく、建設のプロセスを通じた課題や解決策を明らかにすることを重視する。「今回から建築費などに対する助成に加えて、提案事業の進行を管理する協議会に対して120万円を上限に運営費補助も行うこととした」と大澤氏は説明する。

 「協議会」は、当該事業の設計や施工を行う企業などがコスト削減や普及といった課題の解決に取り組む場を想定している。必ずしも法人格を有する団体、法人格のない団体(いわゆる任意団体)である必要はない。建築主と協議会運営者が同じ場合は、単独での応募も受け付ける。

 「建築物の建築実証」「建築物の設計実証」については助成率が10分の3だが、以下については特例として上限を2分の1とする。

  • ・中層以上(おおむね4階以上)または中大規模建築物(おおむね延べ面積300m2以上)である場合。ただし、CLT などを構造部材として使用または他の構造部材と併用するものに限る
  • ・熊本県内に建築する場合

 CLTについては国土交通省が16年4月、工法の一般的な設計法や基準強度などを定める告示を公布・施行した。これによって、高さ60m以下の建築物では大臣認定が不要になった。CLT建築物に求める構造方法や構造計算などを新たに定めて、燃えしろ設計による準耐火構造を実現可能にするなど、CLTの活用を促進する施策を進めている。

 公募の詳細は、日本住宅・木材技術センターがウェブサイトに掲載している。2015年度に公募した実証事業の報告書はこちら

2015年度のCLT活用実証事業で採択されたCLT café(神戸市垂水区)。CLTは保管場所で使用サイズへの切り出しや穴加工などを行い、現場でCLT継ぎ手部分にホームコネクターを施工した(写真:KUS)
2015年度のCLT活用実証事業で採択されたCLT café(神戸市垂水区)。CLTは保管場所で使用サイズへの切り出しや穴加工などを行い、現場でCLT継ぎ手部分にホームコネクターを施工した(写真:KUS)
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2015年度のCLT活用実証事業で採択されたCLT café(神戸市垂水区)。CLTの屋根(床)を梁上に固定して上棟した。CLTの屋外使用時の耐久性仕様についても検討し、耐久性についてはメンテナンスを通して継続的に検証していく(写真:KUS)
2015年度のCLT活用実証事業で採択されたCLT café(神戸市垂水区)。CLTの屋根(床)を梁上に固定して上棟した。CLTの屋外使用時の耐久性仕様についても検討し、耐久性についてはメンテナンスを通して継続的に検証していく(写真:KUS)
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