よりよい街並みを形成するツール

――評価項目が特徴的です。

 環境に関わる建物の性能だけでなく、建物が景観に及ぼす影響に配慮しているかどうかを示す「地域・まちづくり」という項目を入れています。CASBEE横浜は、よりよい街並みを形成するツールでもあります。

 戸建て住宅における「健康・安心への配慮」という表示項目も特徴ですね。「健康」の考え方には二つの方向性があって、一つは室内の温度差が原因で起こるヒートショックのような事故防止への配慮。

 もう一つは、いわば働きやすい執務環境のしつらえで、カフェも一例です。そういったものも含めて、市民を取り囲む大きな環境に踏み込んでいきたいと考えています。

――普及のための工夫は。

 例えば、横浜市が設けた市街地環境設計制度。建築の際に公開空地を設けることによって、その代わりに容積率や高さの緩和を認めるという内容です。その最低条件がCASBEE横浜のAランクとなります。つまり、Aランクの建物がストックされやすい仕組みをつくっているわけです。

 住宅では、CASBEE横浜で評価の高い物件を取得した場合、購入者は住宅ローンの金利優遇を受けられます。この金利優遇を実施している銀行は現在6行あります。

 これまで戸建て住宅での届け出は200件ほどで、今も増加傾向にあります。建売住宅で活用しているケースがほとんどですね。

――省エネ性能表示制度との整合性は。

 省エネ性能表示制度のスタートに伴い、CASBEE横浜も改正します。環境性能表示にエネルギー削減量などを追加し、省エネルギー性能の「ふたば」の数をBELSの星の数に準拠させるなど、整合を図ります。

 横浜市が整備する公共建築物については、主要な施設はBELSの4つ星、CASBEE横浜のSランク、その他の施設は同3つ星、同Aランクとしています。BELSは全国統一の指標なので、地域性を帯びたものとしてCASBEE横浜をどのように並列させていくかが、私たちの今後の課題です。

 CASBEE横浜には重点項目という指標があるので、BELSとは整合を取りつつ差別化も図れると考えています。BELSは一次エネルギー消費量の削減率を数字で定量的に示しますが、CASBEE横浜は定量的というより、定性的な意味合いが強い。定性的な示し方は日本人にもなじみやすいと思います。

横浜市の環境配慮基準(資料:横浜市)
横浜市の環境配慮基準(資料:横浜市)
[画像のクリックで拡大表示]
横浜市は公共建築物でBELSを表示している(資料:横浜市)
横浜市は公共建築物でBELSを表示している(資料:横浜市)
[画像のクリックで拡大表示]