複数の認証を使い分ける

――BELSに対する要望は。

 プログラム自体が変わったため、同じビルを評価しても以前の方が数字が良かったり、異なる数字が出てくることがあります。また数年経過すると基準も変わるかもしれません。新基準がどう設定されるか、推移を見守る必要がありますが、今までの事例を精査した上で、次につなげていってもらいたいと思います。

――表示制度の普及の鍵は。

 社会的通念に訴えかけるだけでなく、「環境」「社会」「企業統治」の視点から投資先を選ぶ「ESG投資」のように環境への取り組みをしている企業に投資がなされるとか、環境性能の高いビルに入居すると税金が少し安くなるとか、コストに跳ね返るような仕組みをつくることが必要でしょうね。善意に頼っていては長続きしません。

――やはりBELSでも最高ランクを目指しますか。

 基幹ビルであれば、最高ランクの5つ星以外はないでしょう。ただ、様々な認証がある中、プロジェクトによって優先順位は違ってきます。

 例えば、東京都環境局が定める「建築物環境計画書制度」の段階3などは、都市再生特区にエントリーする上で絶対にクリアしなくてはならないものです。最高ランクの段階3をクリアしていれば、BELSの5つ星も達成できると思いたいものの、実際に計算してみないと分からないところもあります。また、基準を満たすためにどれだけの追加コストがかかるかも、現時点では不明です。

 大手デベロッパーとしては先駆的に取り組んでいかなくてはと考えています。追随する企業が増えれば一般化していきますし、そこに競争も生まれ、「いい数字を出さなければ」というプレッシャーにもなります。これが好循環となって、環境性能の高いビルがどんどん建設されていくようになればいいと考えています。

森ビルのCASBEE認証取得の実績(資料:森ビル)
森ビルのCASBEE認証取得の実績(資料:森ビル)
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やるからには最高ランク、テナントにメリットも
太田慶太氏(森ビル 環境推進室 室長)(動画:国土交通省補助事業により日建学院制作)