コミュニケーションを重視
──投資家やテナントとコミュニケーションを取ることは重要だと思います。御社はテナントに対して環境の勉強会も開いているとか。
運用物件に入居しているテナントを一堂に会して、交流会を兼ねて環境も含め様々なテーマの勉強会を開催しています。大家業にとどまらず、一緒にビジネスを広げていくスタンスです。こうしたリレーションシップは施設の安定稼働にとってプラスです。
──環境認証も多く取得されていて、ホームページで強く打ち出していますね。
建物の環境認証では、これまで主にDBJグリーンビルディング認証、CASBEE、BELSを取得しています。投資法人としては、サステナビリティへの取り組みを評価するGRESB(グローバル不動産サステナビリティ・ベンチマーク)で「マネジメント」と「ポリシーと開示」で特に高い評価を受け、4段階で最高位の「Green Star」を3年連続で取得しています。
──投資家の環境に対する意識は国内外で差がありますか。
私は国内だけでなく海外の投資家とも直接話をしますが、やはり欧州の投資家が一番、環境への意識が高い。特にオランダの投資家は敏感です。GRESBは欧州の投資家が中心になって作ったものですが、こういった環境認証を受けていないファンドにはお金を出さないという投資家もいます。その辺は非常にシビアです。
──現時点で環境認証を取るメリットは。
経済的に直接メリットを得ることはなかなか難しいのですが、欧州の投資家はグローバルに巨額な資金を動かしており、そういった価値観で認められることは非常に重要です。著名な投資家の名前がリストにあることで、我々に対する良い認識が世界的に広がれば、投資口の価格も安定し、ひいてはほかの投資家へのメリットにもなります。産業用不動産特化型REITの先駆者として、世界的な価値観を基に環境に配慮しながら投資することが大事だと考えています。