将来は環境対応が不動産価値に
──今後も環境認証を積極的に取得していく方針ですか。
取れるものから頃合いを見て徐々に取っていきます。GRESBの最高位を維持することも大変なのですが、省エネ化の推進などによって毎年ポイントが積み重なり、評価は高まってきています。
──BELSへの関心はいかがでしょう。
産業ファンド投資法人が所有するIIF広島ロジスティクスセンターがREIT初の物流施設におけるBELS認証を取得しています。BELSは省エネにフォーカスした認証制度で、シンプルでわかりやすいと思います。テナントに対して光熱費が安価に収まるということを直接アピールできるので、非常に使いやすいですね。今回、一定の省エネ基準を満たすことが義務化されますが、制度が普及するうえで一つの転機になると思います。
──環境認証と不動産価値の関係性は将来どうなるとお考えですか。
現時点では環境認証がキャップレートや不動産価値に織り込まれるまでには至っていませんが、10年~20年経つうちに、市場で環境に対する認識が高まると想定しています。長期で投資している私たちにとっては、売却時に環境配慮型の物件として売りやすくなっているでしょう。
省エネが常識になって、認証取得が当たり前になるのは具体的に何年後になるのかわかりません。ですが、近いところではオリンピックのスタジアムも環境に配慮したものを造るということなので、一般の人たちの目にもつくようになり、意識は高まっていくでしょう。熟成度が上がっていくことは間違いないと思います。