★を増やすポイントは設備仕様

 この結果を元に、★を取得するポイント、すなわち一次エネルギー消費量を削減するポイントを考えていく。

 一般的な住宅は、暖冷房と給湯のエネルギー消費量が大きく、次いで照明が多い。逆に換気に用いるエネルギー消費量は少ない。「一次エネルギー消費量の削減に当たっては、エネルギー消費量が多い用途から省エネ設備を採用していくとよい」と斎藤さんはアドバイスする。

 給湯はエコジョーズが最初の選択肢となる。コストアップも数万円程度で済む。暖冷房はエネルギー消費効率(COP)の高い高効率エアコンの削減効果が大きい。エアコンは「入居者設置」としがちだが、それだとCOP値がそれほど高くないエアコンが計算の前提となってしまう。設計者として高効率な機種を選定し、設計図書に特記したい。

 予想以上に効果が高いのが、照明のLED化だ。実は2013年版「エネルギー消費性能計算プログラム(住宅版)」にはLEDの項目がなく、評価対象外だった。2016年版にはLEDの項目が設けられたため、削減効果が評価される。このほか、2016年版ではエネファーム(家庭用燃料電池)などのコジェネレーション設備も追加されている。性能検証済みの製品であれば、計算プログラムに型番を入力すると自動的に評価される。

 設備ではなく、外皮性能を高めて一次エネルギー消費量を抑えるという考え方もある。その場合、地域によっては冷房負荷が増えることもあり得る。また、BELS評価に関しては、外皮性能の強化は設備仕様のアップに比べて★を増やす効果が出にくいケースもあるので注意したい。