最近の日本人がことさら「神経質」になったせいか、このところ多発する「騒音」「悪臭」に対するクレーム……。《一平太》と《みどり》は、住環境の専門家《曽野道大家さん》の手を借り、音とおい対策の情報を集めるために奔走した。わかってきたのは、音やにおいのトラブルは「物理的要因」より「心理的要因」が大きく左右すること。そして、有効な対策を立てるためには、一般客と「神経質な顧客」を見分けるべし――ということだった。生の情報は現場にあり!一平太たちは、クレームの頻発に頭を抱える《山源工務店社長》とともに見込み客の家にヒアリングに訪れた。そして、彼らが2軒目に訪れたのは、閑静な住宅街に建つQ氏邸。そこは、ある種典型的な「神経質な顧客」の兆候を見せる老夫婦の家だった……。




この作品は取材と調査にもとづくフィクションです(初出:日経ホームビルダー 2007年2月号)