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 菓子づくりのクリームを重ねるような要領でセメント系材料を積層し、曲面形状の中空ブロックをつくり出す――。そんなかわいい技術が登場した。大林組が10月11日に報道陣に公開した新たな3Dプリンターだ。

大林組が10月11日に公開した3Dプリンターによる部材製造の実演。ロボットアームの先端に装着したノズルから、まるでクリームを絞り出すようにセメント系材料が押し出される。この動作がなんとも愛らしい、と筆者は思った(動画:日経アーキテクチュア)

 製造業などで使用されているロボットアームをベースに、セメント系材料を押し出すノズルを備えた。公開された実演では、50層からなる幅500mm×奥行き250mm×高さ500mmのブロックを、ものの15分ほどでつくり上げた。このブロックを組み合わせて製作したアーチ状のブリッジも披露した。

大林組が開発した3Dプリンター。製造業などで使用されているロボットアームをベースに、セメント系材料を押し出すノズルを備えた(写真:日経アーキテクチュア)
大林組が開発した3Dプリンター。製造業などで使用されているロボットアームをベースに、セメント系材料を押し出すノズルを備えた(写真:日経アーキテクチュア)
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3Dプリンターで製造したブロックを組み合わせてつくったアーチ状のブリッジ(写真:日経アーキテクチュア)
3Dプリンターで製造したブロックを組み合わせてつくったアーチ状のブリッジ(写真:日経アーキテクチュア)
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 3Dプリンターを用いて建設した建物や土木構造物の事例は、海外では既にいくつかあるものの、国内では3Dプリンターの活用が石こうや樹脂を用いた模型、型枠の製造などにとどまっていた。大林組によると、セメント系材料を用いて建築部材をつくる3Dプリンターは国内初となる。

 メリットは、自由な曲線で部材を形成できる点だ。ただし、ノズルから押し出されるセメント系材料が一筆書きの経路を繰り返したどって積層するため、その経路が交差しないことが部材設計の前提だ。ノズルの経路は強度なども考慮に入れる。

 一定の速度で所定の経路をたどるようプログラミングする。経路データを差し替えるだけで、様々な形状の部材を作成できる。