検証隊に雨漏りの調査依頼が舞い込んだ。築10年の木造3階建てで、2階和室の窓枠などにシミ跡が…。和室の直上にあるルーフバルコニーで排水溝に水を流し込み、漏水個所の有無を点検してみた。果たして原因は特定できるか。
まずは現場を見に行った2階和室で窓枠などに漏水した痕跡が…
検証隊の元に雨漏りの調査依頼が舞い込んだ。依頼者は、品川区に住むYさん。築10年の自宅で、室内に雨漏りの跡らしきシミがあるという。2008年10月初旬の某日、隊員たちは現場を訪ねた。
Yさん宅は3階建てで、大手ハウスメーカーの工業化住宅だ。問題の部屋は2階の和室。Yさんが指し示す窓枠周辺で複数の個所に、確かに水のシミ跡があった。「漏水の痕跡に間違いない」。シミ跡をひと通り確認した大塚隊長がこう言った。
クロスの変色の跡も
目視でシミ跡を確認できたのは、主に次の4カ所だ。(1)窓上の付け長押、(2)窓右上の天井回り縁、(3)窓の木枠、(4)窓直下の畳の下地合板で、下の写真のとおりだ。
窓枠周辺の内壁では(1)から直下方向に、クロスに線を引いたような変色の痕跡もあり、(4)に達していた(写真で点線の部分)。(4)の下地合板では、壁の線状の跡が達した個所でシミが最も濃い。
隊員たちは、次に天井裏を確認しようと、窓に向かって右手にある押し入れに入った。しかし、天井板が開かない。在来工法と異なるためか、押し入れの天井が固定されていたのだ。