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ZEHありきでないZEH改修

 リビタの主な事業では、内装の変更や設備機器の更新だけをする、いわゆる“お化粧直し”的な改修はしない。建物のポテンシャルを判断するインスペクションを実施したうえで、耐震性や断熱性などの性能を向上。加えて、住まい方や意匠にもこだわりを持ち、住宅にプラスαの価値を与えて再生するのを得意としている。

 昨今はマンションを1棟まるごとリノベーションした事例や、用途変更でオフィスビルなどをホテルにリノベーションした事例などで注目されることが多いが、既存の戸建て住宅をリノベーションする事業にも古くから注力している。例えば、13年から開始した戸建て住宅の買い取り再販事業「HOWS Renovation」では、これまでに50棟以上の買い取り実績がある。

リビタの戸建て住宅の買い取り再販事業「HOWS Renovation」(資料:リビタ)
リビタの戸建て住宅の買い取り再販事業「HOWS Renovation」(資料:リビタ)
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 そんなリビタが、2017年7月、改修してZEH化した戸建て住宅「代沢の家」を公開した。YKKAPと協働したプロジェクトだ。

 建物は東京都世田谷区代沢に建つ築30年の在来木造住宅。延べ面積は144.38m2。1階と2階が木造、地下が鉄筋コンクリート(RC)造という構成だ。この建物をフルスケルトン状態にして、リノベーションを実施した。耐震性能は耐震等級3相当。断熱性能はHEAT20 G2相当とし、屋根には太陽光発電システムを搭載している(関連記事:3000万円で築30年住宅がゼロエネ住宅に大変身)。

YKKAPと協働で実施したZEH改修プロジェクト「代沢の家」(写真:谷内信彦)
YKKAPと協働で実施したZEH改修プロジェクト「代沢の家」(写真:谷内信彦)
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YKKAPとリビタはそれぞれ、代沢の家を活用して、既存住宅のZEH改修のノウハウを蓄積する方針だ(写真:谷内信彦)
YKKAPとリビタはそれぞれ、代沢の家を活用して、既存住宅のZEH改修のノウハウを蓄積する方針だ(写真:谷内信彦)
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 スペックだけを見ると、単に断熱性能を高めて、省エネ設備を搭載しただけの改修のように思えるだろう。だが、その裏にはある狙いが隠れていた。

 同プロジェクトのまとめ役を担ったリビタ戸建事業部の吉實健太郎部長と黒田大志グループリーダーは、この取り組みについて次のように語った。

 「ZEHにすることだけを最終目標としたものではない。既存住宅を改修して環境性能を高めた建物を残すことがベースにあり、その在り方の1つとしてZEH化する場合はどうすればビジネスとして成り立つのかを試みたものだ」(吉實部長)

 今回のプロジェクトは、住まい手がいない既存住宅を改修し再販する、いわゆる買い取り再販のビジネスモデルがベースだ。

 買い取り再販の場合、住まい手からの依頼を受けて住宅の性能を決めるものではない。事業者が自ら考えて性能などのさじ加減を決める。リビタの場合は、改修によって断熱性能や耐震性能を高めることを重視しているが、購入希望者にとってはこれらの性能は目に見えるものではなく伝わりにくい。そのため、「購入したい」と思ってもらうためには、他の要素の充実も必要となる。

 つまり、断熱性能や耐震性能、省エネ性能といった性能面だけではなく、意匠性やコスト、住まい方の提案といった複数の要素を、うまくバランスを取って組み合わせた改修をしなければ、ビジネスとして成り立たないというわけだ。

 それだけに同プロジェクトは、断熱・省エネ性能を高めてZEHの要件を満たしつつ、意匠や暮らし方の向上も諦めずに建物の価値を向上させるといった、全てのバランスを取る挑戦となった。

代沢の家プロジェクトのまとめ役を担ったリビタ戸建事業部の吉實健太郎部長(右)と黒田大志グループリーダー(左)(写真:日経ホームビルダー)
代沢の家プロジェクトのまとめ役を担ったリビタ戸建事業部の吉實健太郎部長(右)と黒田大志グループリーダー(左)(写真:日経ホームビルダー)
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