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基準風速の1.5倍が目安

 パネルが脱落した原因として疑われるのは、パネルと架台との固定部分の施工不良だ。上田市で観測された23日の最大瞬間風速は毎秒28.7mと、旧建設省告示第1454号で定める上田市の基準風速同30mに達していなかったからだ。

 各地域の基準風速はその数値の概ね1.5倍の最大瞬間風速を想定して決められている。上田市であれば、毎秒45mの最大瞬間風速に対して飛散しない性能を持たなければならない。

 A邸のパネルは、1枚につき2本の縦桟にボルトで4カ所固定する一般的な方法を採用していた〔図1、写真2〕。4点留めの場合、1カ所でもボルトの施工が甘かったり、経年劣化していたりすると、強風でパネルが外れるリスクが急速に高まる。風の強いエリアでは3本の縦桟にボルト6本で固定する方法が採用される。リスクを見込んでこうした仕様にする方法もある。

〔図1、写真2〕縦桟が屋根に残る
〔図1、写真2〕縦桟が屋根に残る
上は、南側の屋根に載せたパネルの配置図。谷部を持つ5寸勾配の切り妻屋根に、約3.2kWの太陽光発電システムを搭載していた。左は、パネルが脱落して縦桟だけが残った事故直後の様子。北から風が吹いていた(資料:取材を基に日経ホームビルダーが作成、写真:居住者が提供)
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 風工学が専門の東北大学大学院工学研究科の植松康教授は屋根の谷部に近いパネルが外れた点にも着目する。「谷部は風と屋根の相互作用で、局所的に風圧が大きくなることがある。注意が必要だ」(植松教授)