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 神奈川県横須賀市は、市内にある老朽化した所有者不明の建物1戸を、「空家等対策の推進に関する特別措置法」(空き家対策特措法)に基づく特定空き家に該当するとして、公費で解体した。市によれば、同法の適用による解体は全国で初めて。

空き家対策特措法に基づく特定空き家に該当するとして、横須賀市が解体した老朽建物。屋根の一部が崩落するなど危険な状態にあった(写真・資料:横須賀市)
空き家対策特措法に基づく特定空き家に該当するとして、横須賀市が解体した老朽建物。屋根の一部が崩落するなど危険な状態にあった(写真・資料:横須賀市)
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 解体したのは、同市東浦賀の平屋建て(延べ約60m2)の木造建物。外壁材や屋根材、建具などに崩落の恐れがあり、また敷地外に部材が飛散するなど危険な状態にあった。

 この建物については、2012年10月に、近隣住民から「老朽化しており危険だ」などと相談を受けた市が現地調査を実施。指導の必要性があるとして、所有者・管理者の調査を進めたが、確認することができなかった。

 その後、建築基準法に基づき行政代執行で解体することを検討。ところが、所有者を確認する手掛かりとなる固定資産税関連の納税者情報を取得できず、同法9条11項の「過失がなくてその措置を命ぜられるべき者を確知することができず」には該当しないとし、14年6月に断念していた。

 15年5月26日に、空き家対策特措法が施行となり、税情報の取得が可能になった。市は税情報を確認したところ、納税義務者の氏名や住所が分からない状態だったことから、所有者は不明と判断した。

 このまま放置することは著しく公益に反するとして、市は9月に空き家対策特措法に基づき解体することを公告。新しい管理者などからの申し出がなかったことから、10月26日に代執行による解体作業を開始し、11月3日に終了した。解体に掛かった費用は約150万円。

 横須賀市の空き家の数は、13年10月時点で2万8830戸(平成25年住宅・土地統計調査)。市によれば、現在、市内に約60戸の特定空き家があり、うち3戸で老朽化の程度が著しい。