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減らない雨漏りトラブル──。住宅保証機構では2014年度に保険金を支払った事故の種別で、雨漏りの割合が9割を超えた。原因は様々だが、現場の知識不足と考えられる不具合は相変わらず多い。また瑕疵保証の支払い件数は10年目が多いのは、外皮が複雑化し雨漏りを発見しにくくなっているからだとの指摘もある。技術者としていま押さえるべき要点を、今号(不具合事例編)と次号(対策編)で解説する。

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 下の写真を見てほしい。雨水が壁内に約10年間たまり続けた結果、OSBの下地板や柱、梁などの一部が著しく劣化していた。軒の出がなく、バルコニーを複数持つなど複雑な形状の住宅で発生した雨漏り事故。多数の防水施工ミスが原因だ。

上は、豪雨で雨漏りが発生したキッチンの外壁の仕上げ材を剥がした状態。OSBのほか2階の胴差しと柱、土台も腐朽していた。2階の窓から雨水が浸入し胴差しにたまったと考えられる。1階のレンジフードや出窓のまわりも劣化が著しかった。次ページ図Aの写真は仕上げ材を剥がす前の状態。縦に長いクラックが発生していた。OSBが雨水を吸収して膨らんだためだ(写真:サンノミヤ)
上は、豪雨で雨漏りが発生したキッチンの外壁の仕上げ材を剥がした状態。OSBのほか2階の胴差しと柱、土台も腐朽していた。2階の窓から雨水が浸入し胴差しにたまったと考えられる。1階のレンジフードや出窓のまわりも劣化が著しかった。次ページ図Aの写真は仕上げ材を剥がす前の状態。縦に長いクラックが発生していた。OSBが雨水を吸収して膨らんだためだ(写真:サンノミヤ)
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 新築時の住宅会社は倒産していたが、瑕疵保証(瑕疵保険の前身)の保証期間中であり、代わって雨仕舞いに詳しいサンノミヤ(神戸市)が調査と改修に当たった。改修工事費は、約900万円に達した。

 サンノミヤ社長の三宮康誉さんは調査で畳をめくり、床下地材にもぬれた跡を発見。さらに、床下の基礎に茶色い染みを多数見つけた。この染みについて三宮さんは、壁内に雨水が浸入しているサインの一つだと指摘する。

床下の様子。壁内に浸入した雨水が木材に触れたことで茶色に変色し、基礎に多数の染みをつくった。雨漏りが見つかった住宅でよくある現象だ(写真:サンノミヤ)
床下の様子。壁内に浸入した雨水が木材に触れたことで茶色に変色し、基礎に多数の染みをつくった。雨漏りが見つかった住宅でよくある現象だ(写真:サンノミヤ)
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