使い方の把握が大事
Aさんは直ちにBさんを訪ね、レンジフードを確認。ファンを回すと十分な排気量がある。それでも「これでは足りない」と母親は主張する。
母親の話を詳しく聞くと、近所の目が気になるので、アパート暮らしのときから窓は開けず、常に換気扇を回して生活していたという。この家でもそうしたところ、調理の臭いなどが残りやすいと母親はいう。
その話を聞き、Aさんはしまったと思った。レンジフードのファンを当初はダクト径150mmの製品で検討していたが、小さなキッチンでコスト優先という要望から安価な100mm径にした経緯があったからだ。母親から換気扇の使い方を聞き取りしていれば避けられたミスだ。
幸い工事費が予算よりも少し安く収まっていたので、Bさんが追加工事の費用を認めてくれた。そこで安価な壁掛け型熱回収換気扇を設置。それを常時使う前提で取り付けた。
追加工事から数カ月後、母親は換気に満足していると報告があった。住まい手への聞き取りの大切さを、Aさんは改めて感じたという。