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断熱等級にかかわらず、壁の上下に気流止めを施工するのは重要だ。狙いは、壁体内に外気の通り道をつくらないこと。断熱欠損や結露を防ぐ役割があることを理解し、施工し忘れないようにしたい。(日経ホームビルダー)

 写真1は、完成時の検査で撮影した2階天井裏、間仕切り壁上部の様子だ。この住宅は「住宅の品質確保の促進等に関する法律」における住宅性能表示制度の断熱等級4を取得していた。だが、赤丸で囲んだ部分、天井と壁の取り合い部の上部は開放されている状態。グラスウールを詰めるなどで外気が壁体内に流れ込むのを防ぐ、いわゆる「気流止め」が施工されていなかった。穴がぽっかりと空いており、壁体内部が小屋裏と通じているのが分かる。これでは、断熱等級4の要件を満たしているとは言えない。

〔写真1〕取り合い部にぽっかりと穴
〔写真1〕取り合い部にぽっかりと穴
天井断熱の場合、壁と天井の取り合い部には気流止めを施工して穴を塞ぐ。開放されたままだと、小屋裏の外気が壁体内に流入。煙突効果で、湿気を含んだ空気が小屋裏に上がってしまう原因にもなる(写真:カノム)
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 住宅性能表示制度の評価方法基準(2001年国土交通省告示第1347号)の「断熱等性能等級」の欄には、「気流止めを施工する」と明確に指示した表記はない。しかし、壁体内などの結露の発生を防止するために必要な対策が講じられている必要性が示されている。このことから、「壁体内に外気が流れ込むのを防ぐ役目を担う気流止めを施工する」という解釈が一般的だ。