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 狭小間口の3階建て木造住宅が大地震に遭った場合、制振システムはどの程度効くのか。その検証を目的に、建材製造・卸を行うサトウ(東京都国立市)が、2017年1月20日、24日、27日の3日にわたり実大振動台実験を実施した〔写真1、図1〕。

〔写真1〕耐震棟と制振棟を加振
〔写真1〕耐震棟と制振棟を加振
24日の実験風景。左が耐震棟、右は耐震棟の仕様に制振システムを加えた制振棟。工学院大学河合研究室、宮澤健二・同大学名誉教授、長井建築設計室、松本設計の協力を得て実施した(写真:日経ホームビルダー)
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〔図1〕狭小間口の3階建て
〔図1〕狭小間口の3階建て
狭小間口の3階建ての建物を実験対象とした。図は、制振システムを載せた状態で耐震棟とほぼ同等とした、27日の制振棟の1階床伏図(資料:サトウ)
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 耐震等級3相当の耐震棟と、同社が開発した耐力制振壁「Ω(オメガ)システム」を組み込む制振棟を比較した。制振棟の仕様は、予備実験の20日と最終の27日には、オメガシステムを含めて耐震棟とほぼ同等の耐震性能になるように設定。24日は、耐震棟と同じ仕様に、余力としてオメガシステムを加えた。

狭小間口や改修の需要に対応

 実験に使用したオメガシステムは、構造用面材を用いた幅600mmタイプと、ブレースを用いた幅900mmタイプの2種類。いずれも、2016年3月に国土交通大臣認定を取得した。

 同社は従来、ブレースと低降伏点鋼製のオメガ形制振部材を組み合わせた幅900mmのシステムを販売している。「以前、ブレースを用いた幅600mmのタイプで効果を確認していたが、ブレースでは幅600mmの耐力壁の大臣認定を取れないとの指摘を受けた。そこで、600mmタイプは構造用面材に置き換えた」と佐藤収一会長は話す〔写真2〕。

〔写真2〕幅600mmの制振壁
〔写真2〕幅600mmの制振壁
構造用合板と低降伏点鋼を組み合わせたシステム。芯間距離600mmの柱に取り付けることができる。壁倍率は4.4(写真:日経ホームビルダー)
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 一方、今回の900mmタイプは、ブレースの上下端部の金物を横架材から15cm離して設置できるようにしたのが従来品との違いだ〔写真3〕。「既存の軸組にも取り付けられるので、リフォーム工事で使いやすい」(佐藤会長)。1階に駐車場を設けることの多い狭小間口の住宅を想定した600mmタイプと合わせ、実用的なシステムを目指した。

〔写真3〕幅900mmの制振壁
〔写真3〕幅900mmの制振壁
ブレースを用いた制振壁。リフォームでの活用を想定して、横架材から150mm程度離して設置できるようにした。壁倍率は3.5(写真:日経ホームビルダー)
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 24日と27日の実験では、日本建築センター(BCJ)波レベル2の90%に相当する地震波2回と、阪神大震災で神戸海洋気象台が観測したJMA神戸波の70%に当たる地震波を加えた。3回の加振の結果、特に耐震棟では構造用合板に打ち込んだ釘の破断などが目立った。詳細は次号で報告する。