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 新設住宅着工をけん引してきた貸家が2017年は前年割れとの見方が強まっている。

 16年の新設住宅着工戸数は、前年比6.4%増の96.7万戸と消費税率引き上げ前の駆け込み需要が発生した2013年の98.0万戸に迫る水準となった。持ち家は前年比3.1%増の29.2万戸だったが、3年連続で30万戸の大台割れを記録。一方、貸家は、前年比10.5%増の41.9万戸とリーマンショック前の2008年以来となる40万戸台を突破した。

 旺盛な貸家投資を支えるのは、15年1月に改正された相続税への対策需要だ。加えて16年1月のマイナス金利導入で銀行がアパートローン貸出を積極化したことも後押しした。

 貸家の供給増加で空室率も上昇している。貸家オーナーは、空室リスクを回避するため賃貸管理会社が貸家を家賃保証して借り上げて転貸するサブリース契約を利用するケースが増えていた。だが、空室率アップを理由に借り上げ家賃が引き下げられ、アパートローンが返済できなくなるなどのトラブルも増え始めた。

 国土交通省は16年9月、関係団体に「サブリースに関するトラブルの防止に向けて」を通知。将来の借り上げ家賃の変動条件を書面で交付し、重要事項説明を義務付けた。

 この頃、貸家受注に変調が表れていた。住宅生産団体連合会が17年1月に発表した「経営者の住宅景況感調査」で、16年10~12月の賃貸住宅に関する景況判断指数が前年同期比21%減と大きく落ち込んだ。

〔図1〕賃貸や戸建ては減少傾向
〔図1〕賃貸や戸建ては減少傾向
住宅生産団体連合会が発表した「経営者の住宅景況感調査」の結果。戸建て注文と賃貸の受注戸数について、見通し、実績とも、伸びが鈍化する傾向にある。賃貸は、16年10~12月の実績が大幅に落ち込んだ。調査は、法人会員18社を対象に実施している(資料:住宅生産団体連合会の資料を基に日経ホームビルダーが作成)
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