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 阿部建設(名古屋市)は2017年1月1日、CLT(直交集成板)を使った在来軸組工法「Aパネ工法」の普及協議会を立ち上げた。

 同工法は、CLTパネルを軸組に外側からくぎで打ち付けることが特徴。日本農林規格で最も薄い36mm厚のCLTを用いる。大工が手持ちの工具を使い、慣れたやり方で施工できるように自社開発した(関連記事)。

 中大規模木造施設への採用を視野に入れ、CLTパネルには高い耐力をもたせるとともに、幅広い仕様で大臣認定を取得している〔写真1〕。

〔写真1〕合板のようにくぎで接合
〔写真1〕合板のようにくぎで接合
Aパネ工法では、CLTパネルを構造用合板と同じようにくぎで軸組に打ち付ける。接合部にかかる引き抜き力を抑えるため壁倍率を4.2~4.5に設定した(写真:阿部建設)
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 阿部建設は同工法を使って16年3月にモデルハウスを建設したほか、岐阜市内の教会を4月に着工する予定〔図1〕。また、協議会メンバーのエムロード環境造形研究所(群馬県渋川市)が、群馬県内で公衆トイレやコミュニティーセンターを手がけている。

〔図1〕木造施設の 受注に生かす
〔図1〕木造施設の	受注に生かす
阿部建設が4月に岐阜市内で着工する予定の教会・牧師館の完成予想図。Aパネ工法は、非住宅の中大規模施設への展開も視野に入れている(資料:阿部建設)
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 協議会には全国どの地域の工務店や設計事務所でも参加でき、会費は無料。CLTパネルを販売する後藤木材(岐阜市)が事務局を務める。

発注者に向けたコスト検証も

 一方、住宅に詳しい弁護士法人の匠総合法律事務所は、発注者を対象とする「CLT+IoT建築を勉強する発注者支援協議会」を発足。同事務所の秋野卓生代表が事業主となって実際にCLTで倉庫を建築し、その過程を公共施設の発注者に公開する。

 CLTの普及を阻む最大の要因は、高額な製品価格だ。ただし、大きな面材で部材点数が減ることから、施工費は節減できる可能性が高い。同協議会はこのプロジェクトを通じてそれを実証することを目指している。

 CLT工法の普及と、発注者の理解が両輪で進めば、住宅会社が木造施設分野へ参入する機会の増加につながるだろう。