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4万m2が焼失し、市街地火災の恐ろしさを改めて認識した新潟県糸魚川の大火。現行基準に満たない“裸木造”と、強風による飛び火が被害を拡大した要因と考えられている。その1つ、飛び火による屋根からの延焼について、識者やメーカーの見解を聞いた。

 焼失面積は約4万m2。焼損棟数は147棟。2016年12月22日、新潟県糸魚川市にある1軒のラーメン店から発生した火災が、街に大きな被害をもたらした。

 糸魚川大火では、主に2つの要素が注目されている。防火対策が施されていなかった、いわゆる裸木造が密集していたことと、強風による飛び火が複数箇所で生じていたことだ。これらの要素が重なったことで、ここ数年なかった規模の市街地火災となった(関連記事)。

 飛び火による火災は、様々な延焼要因が考えられる。特に、裸木造が多かった糸魚川大火の場合、開口部や軒裏など、防火対策が十分にされていなかった部位から延焼した可能性は高い。ただ、具体的にどの部位から燃え広がったのかといったメカニズムは解明されていない。

 取材をしていると、今回の飛び火による延焼メカニズムの中の1つとして「屋根からの焼損」というキーワードが浮かび上がってきた。国土技術政策総合研究所(国総研)と建築研究所(建研)が1月13日に発表した「平成28年12月22日に発生した新潟県糸魚川市における大規模火災に係わる現地調査報告(速報)」でも、飛び火による屋根からの焼損とみられる木造の建物が数例報告されている。建研の萩原一郎防火研究グループ長はこう指摘する。「過去の火災でも屋根への飛び火という記述はあるが、具体的にどのような経過をたどって燃え広がったかの分析は十分ではない。屋根への飛び火はよく分かっていないのが現状だ」

 そこで、糸魚川大火からの教訓として、屋根への飛び火による焼損に焦点を当てた。糸魚川の火災状況や、これまでの実験結果といった知見から、現時点での屋根に関する注意点を探っていこう。