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「火災保険の保険金を使って、無料で補修工事をしましょう」本来下りないはずの保険金を、嘘の申請で引き出して工事代金に充てる。そんな火災保険金詐欺が全国で急増している。

 埼玉県は、2017年3月、火災保険金の受け取りを前提に訪問販売で雨樋修理をしていた事業者に対し、6カ月の業務停止命令を下した〔図1〕。

〔図1〕訪問販売で無料の雨樋修理を持ちかける
〔図1〕訪問販売で無料の雨樋修理を持ちかける
埼玉県は、火災保険を悪用して雨樋修理をした住宅災害支援協会と住まい安心サービスに6カ月の業務停止命令を出した。2社の経営者は同じだった(資料:埼玉県)
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 処分を受けた事業者は、無料の雨樋交換を勧めるチラシを地域に配布し、これを見て依頼した消費者宅を訪問。実際は消費者が契約する火災保険の保険金を工事代金に充てる有料の修理だったのに、それを消費者に説明しなかった。実際に保険金が下りたケースもあれば、下りなかったケースもあった。

 この事業者から被害を受けた県民が県に寄せた相談や苦情の件数は、15年3月からの約2年間で95件に達した。「火災保険金を使う旨を示さなかったうえ、ずさんな契約書類を交わしただけで工事に着手し、クーリング・オフ(契約解除)を申し出た消費者にも応じないなど、明確な特定商取引法違反があった」(埼玉県消費生活課)