PR

小屋裏は建物の熱気や湿気が集まる場所だ。換気口がなかったら、どんな不具合が起こるのか。実験棟を用いた長期観察プロジェクトから学ぶ。

 天井点検口をのぞき込むためにカバーを開けたところ、裏面に茶色い水染みが付着していた――。取材時点で築1年8カ月の住宅にもかかわらず、天井下地の合板はびしょぬれの状態だった。これは全て結露によるものだ〔写真1〕。

〔写真1〕築1年8カ月でびしょぬれ
(写真:池谷 和浩)
(写真:池谷 和浩)
[画像のクリックで拡大表示]
(写真:池谷 和浩)
(写真:池谷 和浩)
[画像のクリックで拡大表示]
点検口をのぞき込むと、カバーの裏に茶色い染みがあった。屋根下地はぬれている。この小屋裏空間に設置した湿度計を見ると、相対湿度は81.8%を示していた(写真:池谷 和浩)
点検口をのぞき込むと、カバーの裏に茶色い染みがあった。屋根下地はぬれている。この小屋裏空間に設置した湿度計を見ると、相対湿度は81.8%を示していた(写真:池谷 和浩)
[画像のクリックで拡大表示]

 この建物は実験棟だ。軒の出のない木造住宅で、片流れの金属葺き屋根の側面をパラペットで囲って、スクエアな外観としていた。いわゆる「軒ゼロ」住宅だ。ボード系断熱材を用いた天井断熱で、小屋裏空間がある。

 実験に当たり、小屋裏を大きく2つに区画した。一方の軒先には換気部材を設置。もう一方には換気部材を設置せずに、小屋裏空間を閉塞して比較した〔写真2、3〕。閉塞した側をのぞき込んだのが冒頭の写真だ。換気部材を取り付けた側の合板は、新品同様にきれいな状態だった〔写真4〕。

〔写真2〕小屋裏を2つに区画に
〔写真2〕小屋裏を2つに区画に
小屋裏を大きく2つに区画。一方には換気口がない(写真:池谷 和浩)
[画像のクリックで拡大表示]
〔写真3〕棟部のパラペットに換気部材
(写真:池谷 和浩)
(写真:池谷 和浩)
[画像のクリックで拡大表示]
建物正面から背面に向かって下る片流れ屋根。換気部材は棟部分に当たる建物正面側のパラペットの内側にあった(写真:池谷 和浩)
建物正面から背面に向かって下る片流れ屋根。換気部材は棟部分に当たる建物正面側のパラペットの内側にあった(写真:池谷 和浩)
[画像のクリックで拡大表示]
〔写真4〕「換気あり」は乾いた状態
〔写真4〕「換気あり」は乾いた状態
下地板は完全に乾いており、ほぼ新品同様だった。奥から延びているのは湿度計のセンサーと機器を結ぶコード。相対湿度は32.0%だった(写真:池谷 和浩)
[画像のクリックで拡大表示]

 この実験棟は国土交通省の住宅・建築物技術高度化事業の一環として建築されたものだ。住まいの屋根換気壁通気研究会が観察などの実施主体となった。