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(写真:渡辺 圭彦)
(写真:渡辺 圭彦)
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 誰でも新人の時は初めての体験ばかり。刺激を受けて成長の糧にしていくものだ。エバーフィールド(熊本市)の社長、久原英司氏も高校卒業後に入社した地元の建設会社で様々な経験をした。

 その会社は経営が不安定だったために、次々に先輩社員が抜け、久原氏は1年目からいきなり現場監督を任された。

 初めての現場は先輩と2人で現場監督を担当した10階建てのビルだ。ホテルや飲食店、オフィスなどが入る複合施設だった。無我夢中で仕事をこなし、いよいよ竣工を間近に控えた頃、予想外の事態が起こった。

 そのビルのオーナーが途中で代わり、しかも建築費の支払いが滞ってしまったのだ。どうもワケアリのようだが、詳しいことは新人には分からない。会社の上層部から「工事が終わっても引き渡すな。建て主を中に入れないように」との厳命が現場に下った。

 現場の番人を命じられたのが、ほかならぬ久原氏だ。毎朝ビルに通い、建物内で開業準備をする飲食店のために鍵を開け、夕方に戸締まりするのが日課となった。