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 建築現場で働く職人の中で、1日の労働時間が一番長く、1カ月の労働日数が一番多いのは、建売住宅会社の現場で働く職人――。

 全国建設労働組合総連合東京都連合会(全建総連東京都連)が2018年1月17日にまとめた「2017年賃金調査報告書」で、そんな実態が明らかになった。同組合に所属する建築・住宅分野の施工従事者に、17年の労働時間と労働日数を調査。1万1000人以上の回答を集計した。

 休憩時間を含む1日の平均労働時間は、16年と同じ8.4時間となった。元請けで区分した5つの現場別に比較すると、建売住宅会社の現場で働く職人が9.1時間と最も長く、平均を0.7時間上回った〔図1〕。

〔図1〕建売住宅の現場は労働時間が長く労働日数が多い
〔図1〕建売住宅の現場は労働時間が長く労働日数が多い
建築現場で働く全職種の職人における1日当たりの平均労働時間と1カ月の平均労働日数を、元請け会社で区分した現場別に比較した。2017年5月に調査した。回答者数は労働時間が1万1484人、労働日数が1万2232人(資料:全建総連東京都連のデータを基に日経ホームビルダーが作成)
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 1カ月の平均労働日数は、20.4日となった。例年、祝日などの多い5月の労働日数を調べているので、他の月よりも調査結果の労働日数は少な目になっていると思われる。それでも、1カ月に20日以上働いている職人の割合は71.4%に達した。

 5つの現場別に見ると、建売住宅会社の現場で働く職人が22.2日と労働日数は最も多く、平均値を1.8日上回った。これは、町場(戸建て注文住宅や低層の共同住宅などの工事現場)の現場で働く職人よりも、2.8日長い。そして、大手住宅メーカーの現場で働く職人が21.5日で続いた。建売住宅会社と大手住宅メーカー、大手ゼネコンの各現場で働く職人で、1カ月に20日以上働いている割合は79%を超えた。

労働時間と年収に相関

 雇用形態や職人の立場といった視点で比べると、大手住宅メーカーの現場で月給を固定して常用で働く職人の1日当たりの労働時間が9.6時間で最も長かった〔図2〕。同じ現場の手間請け職人が9.5時間で続いた。

〔図2〕大手住宅メーカーの常用職人は労働時間が長め
〔図2〕大手住宅メーカーの常用職人は労働時間が長め
1日の平均労働時間を、雇用形態や職人の立場の視点で分けた現場別に比較した。常用、手間請け、一人親方については、大手住宅メーカーの現場で働く職人の労働時間が、建売住宅会社で働く職人のそれを上回った。手間請けとは、材料費を負担せずに労務だけを提供する形態(資料:全建総連東京都連のデータを基に日経ホームビルダーが作成)
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 この視点で1カ月の労働日数を比べたところ、建売住宅会社の現場で働く手間請け職人が平均よりも2.9日多い23.3日となった。常用(月給固定)の職人の労働日数に関しては、働く現場による大差はなかった〔図3〕。

〔図3〕建売住宅で働く手間請け職人は1カ月の労働日数が多い
〔図3〕建売住宅で働く手間請け職人は1カ月の労働日数が多い
1カ月の平均労働日数を雇用形態や職人の立場で分けた現場別に比較した。建売住宅会社の現場で働く手間請け職人が、23.3日で最も多かった(資料:全建総連東京都連のデータを基に日経ホームビルダーが作成)
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 今回の調査では、建売住宅会社や大手住宅メーカーの現場で働く職人は、他の現場で働く職人より多く稼いでいることも分かった〔図4〕。

〔図4〕年収が高いのは建売住宅の職人
〔図4〕年収が高いのは建売住宅の職人
建築現場で働く全職種の職人の年収を、元請けで区分した現場別に比較した。建売住宅会社の現場で働く職人が532万円で最も高かった(資料:全建総連東京都連のデータを基に日経ホームビルダーが作成)
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 平均年収を見ると、建売住宅会社の現場で働く職人が532万円で最も高く、大手住宅メーカーの現場で働く職人が517万円で続いた。他の現場で働く職人についても、年収と労働時間との間に相関関係が認められた。