PR

急拡大するネット上の住宅ローン審査

(イラスト:高松 啓二)
(イラスト:高松 啓二)
[画像のクリックで拡大表示]

 ネット審査に通らなかった案件を覆すのは難しいです。ウチの支店から本店の審査部に掛け合ってみますが、恐らく無理かと思います」。X銀行の住宅ローンの融資担当者の話を聞いて私はひどく落胆した。

 なぜなら、顧客のAさんから「ぜひX銀行で住宅ローンの融資審査を受けてください。この1カ月、私はX銀行に何枚か書類を出して口頭でも説明しました。きっと審査は通ると思います」と言われていたからだ。

 私が提案したY銀行よりX銀行の融資条件が良かったので、それならと思い、Aさんの意向に従うことにした。しかし、1つだけ気になる点があった。X銀行が住宅ローンの融資審査を、いわゆるネット審査で行うことだ。

 ネット審査とは、銀行内の判定用ソフトウエアで、融資の可否を判定するシステムだ。借り手は、インターネット上で必要事項を入力する。対面審査なら借り手の事情を考慮するが、ネット審査はあくまで一律の基準で判断してしまう。

 Aさんは、大手メーカーに勤める入社2年目の若い男性だ。銀行の住宅ローン審査では、勤続3年以上という条件を設けているところが多い。ただし、たとえ2年でも同じ職種の業務を継続的に行っているときには、相談すれば融資が認められる場合がある。でも、ネット審査でそんな融通が利くだろうか。不安が頭をよぎった。