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透湿防水シートと防水テープには相性がある。組み合わせによっては、透湿防水シートの性能を低下させ、浸水トラブルを招く。透湿防水シートのメーカーが指定する防水テープを使うのが原則だ。(日経ホームビルダー)

 透湿防水シートと防水テープとの間に存在する相性は、意外と知られていない。「防水紙の端部をテープで留めればそれでいい」と安易に考える施工者も少なくない。筆者が最近調査した戸建て住宅の雨漏りトラブルは、まさにこの相性問題に起因していた。

正しく施工したつもりが…

 透湿防水シートとは、水は通さないが、湿気(水蒸気)は通す性質を備えたシートである。外壁面からの雨水の浸入を防ぎながら、壁体内の湿気を屋外に排出する機能を持つ。防水しながら結露を防ぐ優れものだ。

 この透湿防水シートは、「窯業系サイディング材」、「通気層の確保」と合わせて「外壁防水の3点セット」などとも言われ、木造の戸建て住宅に広く普及している。これらを組み合わせて使うときには、窯業系サイディング材の裏側に通気層を設け、その室内側に透湿防水シートを張る。シートは面材(構造用合板や耐力面材)に打ち付けて留めるのが一般的だ。

 透湿防水シートの施工上のポイントは、シワができないように張ることだ。シワができると、そこから毛細管現象によって雨水が浸入し、室内で雨漏りなどのトラブルを招く恐れがある。

 特に、サッシとの取り合い部には注意したい。施工時には、サッシ枠のフィン(つば)に両面用の防水テープを貼り、反対側のテープの離型紙を剥がしながら、透湿防水シートをその上から張る。その際、シワができないように上からローラーで圧着しながら丁寧に張る。

 ところが、こうして念入りに施工したつもりでも、何年か経過すると透湿防水シートの端部(防水テープを貼った部分)が変色することがある。その部分だけ湿気を含んだ様になって膨張し、シワができてしまうのだ。筆者が調査した戸建て住宅も、そのような症状を呈していた〔写真1〕。

〔写真1〕透湿防水シートの端部が変色して膨れた
〔写真1〕透湿防水シートの端部が変色して膨れた
2017年に筆者が調査した木造2階建ての住宅。室内で雨漏りが発生したので、雨水の浸入ルートを調べた。外壁面を剥がしたところ、透湿防水シートの端部(サッシとの取り合い部)が変色して膨れていた(撮影:第一浜名建装)
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