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都市部の外壁緑化が新たなフェーズを迎えている。屋外からの視覚的効果だけでなく室内居住者へのメリットを求める事業者が増え始めた。採光や通風を適切に制御することで、屋外と室内とを効果的につなぐことができる。

 東京・六本木ヒルズに近い、細い路地に面した8階建てのテナントビル「VENT VERT(ヴァン・ヴェール)」。完成から3年を経て、ファサードに植えられた緑が青々と茂っている。

 圧巻なのは外観だけではない。貸室の中からも迫力ある緑の壁がガラス越しに見えるところが、建物の最大の特徴だ〔写真1〕。前面道路を行き交う人だけでなく、建物の利用者にも常に緑が感じられる。

〔写真1〕外装のスクリーンに緑が茂る「VENT VERT」
〔写真1〕外装のスクリーンに緑が茂る「VENT VERT」
テナントビル「VENT VERT」の2015年10月時点の外観と、完成した13年時点の室内。写真中の人物は設計者の鈴木エドワード氏(写真:左は安川 千秋、右は小島 純司)
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 発注者は個人の土地所有者。全面を緑に覆われた建物が欧州にあるのを知り、日本でも同様の建物をつくりたいと考えて、「緑の空間をつくる」をテーマに指名コンペを実施。鈴木エドワード建築設計事務所(東京都港区)を設計者に決めた。

 その効果もあって完成後は、フレンチレストランなどの飲食業、ネールサロンなどのファッション業のほか、IT企業のオフィスなど、建設計画の当初から想定していたテナントが狙いどおりに入居したという。