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来訪者に「組織の強さ」見せる

 メーンスタジオ南側の小さな入り口から、長く緩やかな階段を上ると受付のデスクがある。階段の2階部分には廊下に沿ってカウンターテーブルが続く。カフェテリアが設けてあり、訪問者の何人かはコーヒーを飲みながらくつろいでいた。早朝にはスタッフが朝食を食べながら打ち合わせをする空間になる。

 設計の執務室に向かう入り口に、大人の身長ほどに引き伸ばした宇宙基地のパースとその模型が展示してあった。2015年に米航空宇宙局(NASA)が主催した火星有人探査基地のコンセプト設計コンペのデザインだ(参照)。来客が最も多いこの場所には、フォスター事務所がその時期に最も力を入れるプロジェクトの資料などを展示する。

 メーンスタジオは1階と2階が設計などの執務室だ。東西に長いオフィスには間仕切り壁がない。巨大な一室空間に多くのスタッフが整然と働くさまは、“組織設計事務所”としての力強さをうかがわせる。

 クライアントとの打ち合わせは、オフィスを見渡せる中2階の会議室を使う。テラスのようなこの場所は、クライアントにスタッフの働きぶりを示す見晴らし台の役割を果たす。

A:メーンスタジオの設計執務室。窓からはテムズ川が、東側には白いアルバートブリッジが見える B:オフィスの窓にはアイデアのメモが張り付けられている。担当以外のスタッフと意見交換するためだ C:中2階から設計の執務室を見渡す。クライアントはオフィスを眺めながら中2階の会議スペースで打ち合わせをする D:受付の脇には廊下に沿ってカウンターが続く。来客用のカフェテリアとして使われるほか、スタッフが朝食を取るスペースとしても活用する E: 「7-11ヘスターロード」にある模型室はメーカーの研究開発室のように整然としている(写真:AとEはNigel Young_Foster + Partners、他は永川 智子)
A:メーンスタジオの設計執務室。窓からはテムズ川が、東側には白いアルバートブリッジが見える B:オフィスの窓にはアイデアのメモが張り付けられている。担当以外のスタッフと意見交換するためだ C:中2階から設計の執務室を見渡す。クライアントはオフィスを眺めながら中2階の会議スペースで打ち合わせをする D:受付の脇には廊下に沿ってカウンターが続く。来客用のカフェテリアとして使われるほか、スタッフが朝食を取るスペースとしても活用する E: 「7-11ヘスターロード」にある模型室はメーカーの研究開発室のように整然としている(写真:AとEはNigel Young_Foster + Partners、他は永川 智子)
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