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 国土交通省は、工事現場に監理技術者の配置を求める基準を緩和する。さらに、監理技術者と主任技術者が複数の現場を兼任できる工事も拡大する。2月29日に建設業法施行令の改正案を公表した。3月29日まで改正案に対する意見を募集し、4月上旬の公布、6月1日の施行を目指す。基準額の変更は1994年以来、22年ぶりとなる〔図1〕。

〔図1〕技術者配置に関する金額要件の見直しのポイント
〔図1〕技術者配置に関する金額要件の見直しのポイント
(資料:国土交通省の資料をもとに日経アーキテクチュアが作成)
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 建設業界では近年の工事量の増加で監理技術者の資格を持つ人材が不足しており、配置基準の緩和を求める声が強まっていた。監理技術者の配置に窮している建設会社にとっては、受注機会の拡大につながる。

 監理技術者の配置を求める工事は現在、建築一式工事の場合に下請け会社への発注額の合計が税込みで4500万円以上となっている。この基準額を6000万円以上へと引き上げる。下請け代金が6000万円未満であれば、一級建築士などの資格が必要な監理技術者を配置しなくて済むようになる。土木一式工事など建築一式工事以外に関しては、3000万円から4000万円に引き上げる。