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急拡大するアジア諸国の建築市場をにらみ、中小の設計事務所のなかにも果敢に現地へ進出するところが現れ始めた。共通するのは、市場が縮小することを考えると、国内だけでは生き残れないという強い危機感だ。

 「海外で仕事をすることには、さまざまなリスクがつきまとう。しかし、日本国内だけで仕事を続けるほうがはるかにリスクが大きい」

 そう話すのは、仙台に本拠を置く本間総合計画(所員数10人)の本間貴史代表だ。本間代表は、今年1月に上海に現地法人を設立した。準備期間は約5年。現地に全く人脈がないゼロからのスタートだ。

 2011年2月から2カ月に1回程度の割合で上海市街地を視察。同時に、人脈づくりのために日中建築・文化倶楽部の会員になり、その縁で地元の実業家から住宅や飲食店の内装の方案設計(基本設計)が依頼されるようになった。これまで受託したのはまだ6件だが、15年春ごろから設計の依頼が急に増え始めたので、現地法人の設立を決めた。

 本間代表は「今後、人口減少などで日本の建築市場の縮小が予想されるなか、国内だけに頼るのは危険。中国は日本の約11倍の人口を抱え、市場規模として無視できない存在だ。将来を見据えたリスクヘッジのために決断した」と話す〔図1〕。

〔図1〕アジア諸国の名目GDPは中国が断トツ
〔図1〕アジア諸国の名目GDPは中国が断トツ
アジア諸国における2014年の名目GDPのランキングをまとめたもの。中国は、既に日本の倍以上のGDPを計上している(資料:IMFのWorld Economic Outlook Databases)
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