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国際コンペで老朽施設を再生 実績にとらわれない参加条件が変革を後押し

 パリ郊外の開発に劣らず、市内の再開発も大きく動き始めている。市長による意向が大きい。

 パリのアンヌ・イダルゴ市長は同市で初の女性市長〔写真5〕。再開発に積極的な人物だ。パリ市で約40年ぶりとなる超高層タワー「トゥール・トリアングル」の建設計画を、2015年6月に議会で通した。

〔写真5〕日本人設計者に期待するパリ市長
〔写真5〕日本人設計者に期待するパリ市長
2016年2月末、パリ市のアンヌ・イダルゴ市長(写真右から5人目)などが来日。東京・南麻布のフランス大使館で記者発表会が開かれ、設計者の田根剛氏や藤本壮介氏も登壇した(写真:日経アーキテクチュア)
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 タワーの高さは約180m。完成すれば、エッフェル塔(324m)やモンパルナスタワー(209m)に次ぐパリ市で3番目に高い建造物となる。スイスのヘルツォーク&ド・ムーロンが設計し、20年竣工を目指す。

 さらに市長は、パリ市内で市が所有する23カ所の土地や建物を対象とした大規模な国際コンペ「reinventer.paris(リインベンター・パリ)」も開催。世界から800件を超えるアイデアを集めた〔写真6〕。

〔写真6〕市民もコンペに関心を寄せる
〔写真6〕市民もコンペに関心を寄せる
パリ4区にある「Pavillon de l'Arsenal(アルスナル建築博物館)」で、コンペの応募作品70点以上が展示された。数多くの市民が訪れ、真剣にパネルや模型を見つめていた(写真:日経アーキテクチュア)
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 16年2月に最終結果が公表され、日本人は、田根剛氏がリナ・ゴットメ氏、ダン・ドレル氏と3人で共同主宰するDGT.と、藤本壮介建築設計事務所が、それぞれ当選した。

 「日本は生活すべてが洗練されている印象があり、日本人建築家は洗練に美意識が加わったようなもの。その美意識でパリの街に美しい軌跡を残してほしい」と市長は語った。