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高速道路の上に「村」

 一方、藤本氏が手掛けるのはパリ17区の「Pershing(ペルシング)」と呼ばれる場所だ。2つの通りに挟まれた広さ約6450m2の敷地で、環状道路のそばにある駐車場やバスターミナルの再開発と、環状道路の上部空間を活用する案が求められた。

 藤本氏は「ミル・アルブル(Milles arbres−1000本の木)」と名付けた提案で、「環状道路の上を浮遊する森に包み込まれた村」というコンセプトを提示した〔写真7〕。

〔写真7〕高速道路の上に浮かぶ「村」
〔写真7〕高速道路の上に浮かぶ「村」
高さ37mを予定しており、パリの中では高い建造物となる。「村」の南端に立てば、パリ市内を遠くまで見晴らせるイメージだ(写真:日経アーキテクチュア)
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 その形は、高速道路をまたぐようにL字状に広がり、地上部分だけでなく、上層にも多くの植栽を施す。

 「村」には住宅や2つの保育園、託児所などのほか、生物多様性に関する会館を設ける。パリ市内と郊外のヌイイー=シュル=セーヌを結ぶ大通り沿いには、レストランが立ち並ぶ予定だ。

 「この提案は前衛的に見えるかもしれないが、パリの街を勉強し、尊重しながら、その先を考えて出した。パリの街は高さ30mでそろっている。だが、その空中に森と村を浮かべることで、街と調和しながら新しい風景ができるのではないかと思う」と、藤本氏。案では浮かべる村の高さを37mと想定している。