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 東京都は2020年東京五輪の選手村として使う「晴海五丁目西地区第一種市街地再開発事業」の特定建築者予定者に、三井不動産レジデンシャルなど11社から成るグループを選定した。7月28日に発表した。11社はいずれも選手村の整備や大会後の利用などの計画を検討する、都の事業協力者だった。応募していたのはこの1グループだけだった。

 特定建築者予定者の11社は以下のとおり。三井不動産レジデンシャルのほか、NTT都市開発、新日鉄興和不動産、住友商事、住友不動産、大和ハウス工業、東急不動産、東京建物、野村不動産、三井不動産、三菱地所レジデンス。特定建築者の正式な決定は16年9月だ。

 再開発事業は、大会後に宅地に転用して賃貸または分譲販売することを前提としている。大会前の19年12月までに選手が宿泊に使う中層棟21棟と商業棟1棟を完成させる。大会期間中、敷地と特定施設建築物は都に一時引き渡す。大会後は中層棟を改装するほか高層棟2棟を新設。計約5650戸の住宅を整える〔図1〕。

〔図1〕2017年1月に着工
〔図1〕2017年1月に着工
選手村は2017年1月に着工する予定だ。駐車場などを含む延べ面積約67万7900m2を開発する。大会後は、5つの街区に高層棟2棟や中層棟21棟、商業棟などが完成する(資料:東京都)
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 設計者は5街区ごとに異なり、うち2街区を日建ハウジングシステムが、残る3街区を日建設計と日本設計、三菱地所設計が担当する。

 特定建築者は、再開発事業の施行者である都に代わってこうした建物の整備を進める。建設に必要な資金は特定建築者が自己調達する。約13万m2の敷地は、都から129億6000万円で買い受ける。

エネルギー事業とも連携

 三井不動産レジデンシャルなどのグループは、高齢者住宅やシェアハウスなど様々なタイプの住宅棟を提案。その運営まで具体的に示した。周辺の水辺や緑地空間を最大限に生かし、水辺空間への視線の抜けや動線を意識した。

 都は選手村の再開発と連動して、水素ステーションの設置を軸とした新たなエネルギー事業計画の作成を進めている。商業棟と住宅棟の共用部には次世代型の燃料電池を導入する予定だ。

 選手村の特定建築者は、エネルギー事業計画の事業協力者とも連携してこうした内容の調整を進めることになる。